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夫に育休を取ってもらうつもりのなかった私が、半年の育休を取ってもらうまでに至る思考の変化について

こんにちは。この春に第一子を出産しためいまおです。
当初、夫に育休を取ってもらうつもりが全くなかったのですが、結果として半年間、育休を取得してもらうことになりました。
そこに至るまでの育児、あるいは家族に関する自分自身の思考の変化が個人的に興味深かったので、メモとして残しておきます。
 
夫の記事はこちら。

当初、発想自体なかった「夫の育休取得」

妊娠発覚当初、当然のように自分が産休育休を取って一人で(いわゆる「ワンオペ育児」というやつ)をやるんだろうなーと考えていました。
なぜそう思っていたかというと、「夫(男性)の育休」という選択肢自体があるという発想がそもそもなかったのです。
「なぜなかったんだろう」と考えると、おそらく以下あたりが原因なのでしょう。
 
  • 2019年現在の日本社会では、まだまだ男性の育休は一般的なものとは言えないこと
  • 育休制度に関する知識がゼロだった
  • 自分の父親が育児・子育てへの参加が皆無で、父親が育児や家庭のことに参加するというロールモデルが自分の中でなかった
  • 私自身の夫に対する接し方が、これまで「夫のやりたいこと*1」を優先させる態度だった

 

考え方が少しずつ変わっていったキッカケ

妊娠中に妊娠出産育児に関する本を結構読んだのですが、その中に「二人は同時に親になる」という本がありました。

 

ふたりは同時に親になる: 産後の「ずれ」の処方箋

ふたりは同時に親になる: 産後の「ずれ」の処方箋

 

 

母親になるという実感も自信もさほどなかった私は、そのタイトルに「まさにそうだよなぁ〜」という思いで手に取りました。
本の内容自体にはここでは触れませんが、たしか本の一節で「家事の自動化をして家事をした気になるパパ」みたいな感じの内容が個人的に引っかかって、思うところが芽生えたのでした。
 
というのも、いろんな本を読んでも母親については、母性がどうとか当然のように妊娠出産により母親になることが語られる割に、男性については母性みたいな本能もないし、妊娠出産体験があるわけでもないから父親になるのに時間がかかるみたいな論調が、少なくなかったわけです。
 
そんな中で、普段9:1(私:夫)の割合で家事をしている妊娠中の状況を踏まえ、産後の家事の分担などについてふわっと会話している時に、夫が「掃除や買い物などは自動化すればいい」というようなことを言うのですが、逆に自動化以外の具体的な自身のコミットについては語っていなくて「いや、自動化したとしても、食洗機もドラム式洗濯機もルンバもそれに伴う仕事は日々あるわけで、仕事がゼロになるわけではないのだが、それは一体誰がやるんや……」となり、彼が今後どのようにしていこうと考えているかも見えず、その時に一抹の不安を覚えたわけです。
私は否応なしに母親業をやることになるだろうが、夫婦としての関係性も現状維持では、フルタイムで仕事しつつ、家事を9割やって、育児も基本ママの仕事ね!となると、絶対事故るぞこれは、と。
 
もう一つ大きなキッカケとして、私が働いている会社でちょうど妊娠期と前後して同僚(男性)が数名、育休を数ヶ月スパンで取得していたのも、現実の話としての夫の育休取得を考える要因になりました。
 

反面教師だった両親

私の実家は自営業をしていて、父はずっと経営者として多忙であったことや、そもそも家庭向きの人でないというのもあり、育児や家庭のことはほとんど母が一人でやっていました。(ちなみに、母は専業主婦ではない)
特に私が妊娠してから、母と子どもについて話す機会が増えると、母は事あるごとに「父さんは全然家にいなかったし、当然育児もしなかったから大変だった」と話すわけです。それは愚痴や不満というよりは、単なる事実として「あなたの父親は育児をしなかった」ということを話しているのに過ぎないわけです。
父親が家庭的でないことに関して、とりわけ困ったこともなければ家族仲が悪いわけでもない私は、その事実自体にも困ったり不満に思ったことはなかったし、それが悪いこととは今現在でも思いませんが、いざ自分が親になろうというときに考えると明確に、手本にするタイプの父親ではなく、良くも悪くも反面教師の面が多いわけです。
 

自分の両親が意識的にも無意識的にも基準になる

私の夫はプログラマなのですが、付き合っている段階からよく「私とデートをしている暇があるならコードを一行でも書きなさい」という付き合い方をしていました。

 

私は彼自身が好きなことを(私との関係により邪魔されることなく)好きなだけやってもらいたい、という気持ちでそのような態度で今まで接してきましたが、これは母が父に対して彼女が人生を通してやってきた「(育児など)家のことは私がやるから、あなたは仕事をしなさい」という、ある種の自己犠牲的態度によく似ているのだなぁと、妊娠後に気づきました。
美しく言えば「内助の功」ですが、これが「恋人」や「夫婦」みたいな二人だけの関係性であればいいけど「我が子」のような第三の関係者ができたとき、このような態度はもしかしたら「この夫婦の在り方により、子から父親と接する機会を奪うことになる」かもしれないし、「夫から子育てに関わる機会を奪う行為」にもなりえるのだなと感じたのです。
 
私は自立思考が強いので、夫婦の関係性自体についても「お互いが自分の意思を持ち、自立した大人として、互いに補い助け合える対等な関係である」ことを望み努めてきましたが、私がフルタイムで働き、家事をほとんどやり、さらに妊娠出産育児もやるとなると、私になにかあった時に、肝心の夫が私の替えになれないわけです。
 
相手のやりたいことを尊重し優先させることに、自己犠牲が良くも悪くも発生する。
私は「自分の自立」に対しては強い意思を持っているのに、相手の自立については強いることもしなければ期待を伝えることもなく、それ故に一見相手を思いやる姿をしながら、それらを相手に会得する機会を逃させているかもしれない自分の行動の歪さに、妊娠するまで気づいていなかったことに驚いたのです。
 

我が子に親として、どういう背中を見せたいか

私の性格的に、母と同じような状況(いわゆるワンオペ)で母親業をやることになったとしても、自分の子どもに「お父さんは育児に参加しなくて大変だった」というような話は、たとえ事実であったとしてもしないだろうなぁと思いますが、言うかどうかはともかく事実として「あなたのお父さんは仕事が忙しくてあんまり育児に参加できなかった」ということが子どもにとって喜ばしいことは、恐らくありません。*2
 
将来我が子がまたその子を持つことになり、私たち夫婦をロールモデルとして自分が親になろうというシーンが来たとき、当初の私のように夫の育児参加の選択肢自体が思い浮かばないような人には育てたくない。
「30年後の世界の我が子が親になるときにはこうであってほしい」という姿を自分たちがいかにして示せるかを考えると、「父親も育休を取得し、小さい頃から家族に深く関わっていく」ということは、父となる夫にも、そのうち親となるかもしれない我が子にとっても、長い人生において、重要なことに思えたのです。*3
 

夫、育休申請をする

夫は社員十数人のベンチャー企業で働いており、立場的にも抜けると相当の影響があることは私でも容易に想像できるため、子だけでなく夫にとってもこれが最善なのかと迷うところはありつつ、上記のような思考変遷を経て、夫に育休取得を提案することになりました。
 

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家庭内Slackの様子。
夫にシェアした記事は以下。
 
最初は私と同様、育休が取れることについて認識や意識をしていなかった夫自身も、育休制度について把握理解したうえで、育休を取得するべく「どのくらいの期間取れたらいいか」を話し合いました。
私の提案は「最低でも1ヶ月、できれば3ヶ月」で、これは育児を仕事として考えると、だいたい転職などでも業務や環境に慣れるのに1ヶ月、試用期間が終わるのが3ヶ月なので、初めての育児の基本を身につけるなら、そのくらいの期間は必要だろうと思ったからです。
夫がどういう考えを経たのかは不明ですが、彼自身が「育休取得するなら、最低半年は取らないとダメだと思う」と言い出したので、結果半年の育休を申請、取得をすることになりました。
 
ちなみに夫の会社側の反応は、「(設立してまだ新しい会社で)社内制度などもしっかり準備できていないので、これを機に整えていきたい」という非常に前向きな反応であったと伝え聞いてます。めっちゃ良い会社。
 

「運が良かった」にしたくない

自分の意識の変化が個人的に興味深かったのでつらつらと綴ってみましたが、これは「こうあるべき」というつもりはまったくなく、「自分の場合はこうだった」という例として当初の私と同様、「育休取得するという選択肢もあったはずなのにその発想がなく、知らぬうちに固定観念により何もしない選択をしていた」という人の何かしらになればという気持ちで書いています。
 
同時期に妊娠出産した友人たちと話すと、やはり様々な理由で育休という形で旦那さんは休業を取らない(あるいは取れない)選択が大半だったし、ここ最近のはてブなどでの育休の話題もパタハラだったり、必ずしも社会全体を見たときに育休を取得する環境や雰囲気がいいと言えない現状で、育休を取ったことを「運が良かった」にしたくないという思いがあります。
 
問題について語るとき、ダメな問題例を指差して「これはダメだろ」と言うのは容易ですが、それよりもこうあるとよりよいと思える姿、たとえば育休を取得した人が育休を取得してよかったことを発信すること、その数を増やして「当たり前に取得している」情報がより多くの目に触れ可視化される方が、当事者だけでなく社会全体の雰囲気を変えるものになるんじゃないかなと思い書いた次第です。
 

  

*1:主に「コードを書く」など。

*2:私のように、特にその点について気にしていないという子は山ほどいるとは思うけど。

*3:育児に参加しなかった父を見て育った我が家の男兄弟が、同じように家庭や我が子の育児参加に乏しいように私から見えるのも一因。

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