この記事は、Origami Advent Calendar 2016 の1日目の記事です。
こんにちは、めいまおです。
年末が近づき「ここ数年、毎年 Advent Calendar 書いてるな、今年どうするかなー」と思いながら社内で様子を伺っていたところ、なかなか企業 Advent Calendar をやる気配がない。
「これは...やっていくしかない」と思い、試しに「弊社は企業 Advent Calendar 書かないんですか??」とプロダクトチーム各位にお伺いを立てたところ、
社内SNSで「Advent Calendar書かないんですか??」と煽った件で、「あれば書く人はそこそこ居そうだけど率先してやっていく人がいない」との回答をもらったので、勢いあまって Advent Calendar を立てた https://t.co/kgKNfVZFld
— ミネコ (@meymao) 2016年11月24日
ということで、言い出しっぺなので、責任をもって1日目の記事を書きます。
どういう人向けの記事か
本記事は、人事や総務、営業、サポートやQA、その他諸々...の仕事でエンジニアと仲良くなりたい、すべての人が対象です。
エンジニアの人たちは、普段からエンジニア文化というものを共通言語として共有している印象を持っています。そういう文化に非エンジニアの人が触れてみるのは、仕事如何にかかわらず、意思疎通やコミュニケーションをよりスムーズにするものだと思うのです。
そこで、ここでは実際にエンジニアの方からオススメされた本を中心に、非エンジニアの人が読んだらよさそうと思った本を紹介します。
(ちなみに書いている私自身はサポート職の人間であり、国文学専攻の典型的文系であって技術職の人間ではないので、ちゃんと「私でも読める本」をチョイスしています。 )
1. 文系でも知っておきたいプログラミングとプログラマーのこと
まさにこの記事のためにあるんじゃないかというタイトル。
この本はプログラマで(も?)ある清水亮さんが、文系*1の人に向けて書いたプログラミング、プログラマについての本です。
局所的に著者の独断と偏見なところもありますが、ごく「わかりやすい」感じでプログラミングとプログラマのことが書かれているので、読みやすいです。
所々「これはひどいw」というイラスト*2なども出てきますが、恐らくそれ込みで楽しむスタンスのものなのだと思います。
清水さん自身が出身だからか、未踏*3の話などにも触れられていて、平たく広くやさしくプログラミング、プログラマについて知ることができると思います。
2. カッコウはコンピュータに卵を産む
「ハッカー」という言葉を世に広めた本として有名な、ノンフィクション小説。
著者のクリフォード・ストールが天文学研究のかたわら、研究所の新米システム管理者となった際に、システム上の使用料金が合わないことから調査を開始し、クラッカーの存在に気付いて動向を監視しながら検挙に追い込むという、まさに「事実は小説よりも奇なり」という本。
時代は1986年で、天文畑のストールが FORTRAN で書いたコードを他のプログラマが C に書き換える場面があったり、クラッカーが発見したバグがリチャード・ストールマンの作ったエディタ(GNU-Emacs)でありストールマンのオープンソース思想(情報は万人の財産であるべきである)について不意に触れられたりと、物語自体のおもしろさも相まって、実話に沿ってワクワクドキドキしながらプログラミングやプログラマの歴史の一端に触れることができます。
3. ヘルシープログラマ
プログラマ向けに、プログラミングを楽しく続けるための健康法を書いた本です。
が、プログラマの仕事環境を整えるのはプログラマだけでなく、会社の人事や総務の方たちも大いに関係してくると思うので、そういう職種の方をはじめ、デスクワークをするすべての職種のひとが読むといい本だと思います。
4. プログラマが知るべき97のこと
優秀なプログラマたちがそれぞれ「大切だと思っていること」を集めた本です。
普段、プログラマがどんなことを大切だと思ってプログラムや仕事をしているのか、少しだけ触れられるかもしれません。
プログラマ向けの本なので、内容はもちろん分からない部分もありますが、じゃあ我々非エンジニアには関係ないかというと、決してそういうわけではありません。
たとえば「[58] テスト担当者はプログラマの友人」や、「[64] プロのプログラマとは?」、「[87] プログラマとテスターが協力してできること」などは、QA(品質保証)チームの人が読めば興味深く思うだろうし、逆にプログラマを知ることでどのようにコミュニケーションしていったらよいだろうかと、より具体的に考えるきっかけにもなるかもしれません。
5.それがぼくには楽しかったから
エンジニア文化を知るにはオープンソースソフトウェア(OSS)について知るとよいかもしれません。
オープンソースは、ソースコードを広く一般に公開し、誰でも自由に扱ってよいとする考え方をもとに公開されているソフトウェアです。
本書は「Linux」を生み出したリーナス・トーバルズの本で、リーナスはなぜオープンソースでOSを公開したのか、その理由について本タイトル通りの理由を述べています。
オープンソースとは何なのか、なぜオープンにするのか。その恩恵に我々もあずかっているところなので、ぜひ OSS の世界を覗いてみてください。
6. アラン・ケイ
パーソナルコンピューターの父と言われるアラン・ケイについての本。ケイ自身によるメッセージ、論文、それにまつわる資料などから構成される内容です。
ジョブズがアラン・ケイのアイデアに多大なる影響を受けて Lisa、 Macintosh と開発したのは有名な話で、アラン・ケイの言葉として有名な「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」という言葉の凄みも、この本から彼の軌跡をたどることでその一端を垣間見ることができます。
7. ハッカーと画家
このブログではもう何度も紹介しているけど、よい本というのは何度紹介しても構わないものだと思うので、最後は「ハッカーと画家」で締めくくります。
ポール・グレアムのエッセイを本にしたもので、「Dropbox や Airbnb などを輩出した Y Combinator の設立者」と言うと、よりピンとくる人もいるかもしれません。
この本はハッカーの考えていることをハッカーでない人たちにも分かりやすく書いており、非エンジニアにもおすすめできます。この本を読んでみて、LISP に入門しだしたら多分もう言うことナシです。普通のやつらの上を行きましょう。
さいごに
なお、ここまで書いておいてアレですが、これらを読んだからといって絶対エンジニアと仲良くなれるというわけではないことを一応書き添えておきます*4。
一口に「エンジニア」といっても一括りにカテゴライズできるものではないですし、多種多様なひとがいて当然なので、エンジニアの皆さんには非エンジニア向けの本で「自分ならこの本おすすめするよ〜」とか「あの本が入ってねーじゃねぇか!」とかあれば、ぜひ教えてほしいです。
ちなみに、エンジニアである夫にも「エンジニアと仲良くなれる本を紹介してほしいんだけど!」と聞いてみたところ、以下の回答があったので最後に紹介しておきますね。
そんなものはない。逃げろ。
以上、「エンジニアと仲良くなるために非エンジニアが読むといいかもしれない本7選」でした。
Origami Advent Calendar 2日目は、nozaq さんによるgRPCについての記事です。お楽しみに!
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