たのしいこと

「今日、何かたのしいことあった?」

夕飯を食べていると、毎日僕にこう聞かれる。

「今日、何かたのしいことあった?」

そんなに毎日たのしいことって、ないと思う。

「特に。ないー、かなー。」と一日を振り返って、答える。今日は何かたのしいことがあっただろうか。

朝。

駅まで続く坂の途中に、紅色の鮮やかな梅の花が咲いていた。

曇った町並みに知らん顔で咲く梅はとてもキレイだった。これは今日あった「たのしいこと」に入るだろうか。

僕に話したとして、梅を見てたのしかった私の気持ちを、同じように伝えられる自信がない。

 

「たのしいこと」ってなんだろう。私はなにを「たのしい」と思うんだろう。そもそも「たのしい」ってなんだろう。

 

「たのしい」について調べてみると「楽しい」と書くけど「愉しい」とも書く。あと、どうやら「娯しい」という書き方もあるらしい。

「たのしい」と「楽しい」と「愉しい」と「娯しい」は、なんだか「たのしさ」の質や感触が違う感じがする。

 

「たのしい」は朗らかな感じ。

「楽しい」は賑やかな感じ。

「愉しい」は快活な感じ。

「娯しい」は大人な感じ。

 

そんなことを考えていると、なんだかたのしくなってきた。どうやら私はこんなようなことでたのしくなるらしい。

僕にこのことをお話ししようと思ったけど、やはり上手にたのしかったことを伝えられる気がしない。

 

 

 

 

楽しい・愉しい・娯しい(たのしい)とは - コトバンク

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