読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「日本語」を味わう

前から読みたいと思っていた「正しい日本語の使い方」と「源氏物語を知りたい」を読み終わって、とてもいい本だったので本ブログらしく感想を書いておこうと思う。

 

http://instagram.com/p/cYve6djsMc/

  

<正しい日本語の使い方>

本のタイトルは「正しい日本語の使い方」だけれど、ビジネス会話や一般マナーとしての「正しい日本語」の使い方という観点や、慣用句や四文字熟語といった「日本語」に留まらず、幅広い文学作品の中から名文をピックアップして紹介するなど、楽しく読めてかつ贅沢な内容となっている。

実際読み終わってみて(監修者のセンスの良さが伺えるわけだけど)日本語や文学に興味のない人には思わず興味をそそられるような、また興味はあるけどよく分からない人には入り口として、バランスよく名作紹介がされていて、腕と食材の揃った料理のフルコースを食べるような感覚になる。

内容が本当に充実していて、本のはじめにある日本語力の問題からワクワクした。(56問の日本語に関する問題があって、夫と二人でやって二人とも38点だった......頑張ろう)

幅が広いので即効性のある日本語力の底上げを期待する人にもいいだろうし、一般教養としてじっくり色んな知識を得たい人にもいいと思う。

 

 

正しい日本語の使い方

正しい日本語の使い方

 

源氏物語を知りたい>

私の源氏物語遍歴(?)は、たしか「あさきゆめみし」で物語の内容を把握した上で、与謝野晶子訳の現代語訳「源氏物語」(角川文庫)を読み、岩波文庫の原文を読むみたいな記憶で、京都に来てすぐだったので読んだのは二年前くらいだったと思う。

ひと通り触れてはいたのだけど、なにせ源氏物語は長い上に登場人物が多い。折角京都に住んでいるので定期的に触れたいなという気持ちがあって、今回「源氏物語を知りたい」を買って読んだ。

源氏物語を「知りたい」とある通り、本の趣旨としては「読んだことのない人のために、どんな物語か案内する」「物語の内容は大体知ってるけど、詳細には分からないからもっと色々知りたい」という人向けだと思う。

物語の全体像や登場人物、作者である紫式部についてだけでなく、時代背景や当時の文化などの紹介もあるので、漫画や文庫で読んで源氏物語を知ってはいる、という人にも楽しめる内容になっている。

少し源氏物語から逸れた話をすると、たまに「文系(主に文学部)は役に立たない」というようなことを言われる場面に遭遇し、さらには文学を学んでいる学生自身にもどこかに「文学は役に立たない」「文字を読めれば誰にでもできるものだから、何もできないやつが文学をやる」といった空気を感じることがある。

私は就職のために文学部に在籍していないので全くこの感覚が分からないのだけど、多くに理解されていないのではと心配する点を述べると、文学はただの「物語」ではない。

源氏物語に限らず文学は、歴史背景やその時代の文化が色濃く反映される。それが描かれた時代背景や文化が分からなければ、物語を「読む」ことはできない。

歴史や民俗学、哲学、倫理学、地理、法律、言語学......物語により挙げられないほど多岐に渡る見方と知識を要求される。

特に源氏物語は千年も前の物語だ。何の知識もなしにすんなり読めるはずがない。しかしまた千年前に書かれた自分の国の小説を今読むことができるのである。

他の国のことはよく知らないけれど、国として連続性のある歴史を重ね、千年前の文化を綴った物語が読める国って、あまり挙げられないのではないかと思う。(国や歴史の定義が難しそうなアレだけど)

これを学問として存分に学べる環境にある自分は贅沢だし幸せだと思う。そしてまた日本が世界に誇れるハイカルチャーが学問として正当に認識されていない場面に悲しくも思う。その真価を理解しなければ何であってもその価値を失うのはどの学問でも同じかもしれない。

文学は時を超えて私たちに多くを語りかける。ぜひ耳を傾けてみてほしい。

 

源氏物語を知りたい

源氏物語を知りたい

Copyright (C) 2011 copyrights. 本トのこと All Rights Reserved.