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思いかえす言葉

昔聞いたり言われたりした何ともない一言が、定期的に思い出されることがある。

大体思いかえす言葉はいつも同じもので、大した内容ではないけどどうしたものか、不意に顔を出してくる。この頃頭をぷかぷかしてるやつを三つくらい、記念に書いておこう。

一つ目は、中学の頃女友達とキスをした時(女の子同士でキスをするのが流行る年頃であった)、これでもかというほど口をすぼめてやると「梅干しか!」って言われたやつ。

なぜかこれを定期的に思い出す。何かにつけて茶化したがる自分っぽさが出てるからかもしれない。

二つ目は当時医学生だった博学な友人が、「お互い合意の上で関係を持っている前提があるとすれば、売春は被害者がいるわけでもないように思えるがなぜ罪なのか」という話をしていたこと。たしか、(肉体関係の対価として)物を貢ぐのは可で売春が不可なのはなぜか、というような理由があったように記憶している。

当時の私は、罪の基準は被害者加害者以外の部分にもあるし、性病や妊娠のリスクもあり、金銭になるとトラブルに発展しやすそうなことも想像出来るわけで、諸々を考慮するとまぁ売春を容認するより禁止する方がよさそう、という感想だったと思う、大体今も同じだけど。

真面目で博学でどちらかと言えば保守的なイメージであった彼がこのテーマについて許容する側としての見解を示したことが多分印象的だったのだろう、たまに思い出す。今なら彼はなんて言うんだろう、と。

三つ目は最近同級生の男の子に言われたことだけど、「めいまおさんは芸術家肌な男の人が好きだよね」っていうやつ。

自分はこれまで好みの傾向を(あえて挙げるとすれば)頭の良い人が好きなのだと思っていたのだけど、どうやらただ頭がいいというだけではダメらしく、好みを聞かれると「天才が好き」って言うことにしているんだけど、とはいえ天才にも種類がある。

夫はプログラマなので一見芸術とはほとんど縁がない感じだけど、言われてみればたしかに芸術家っぽいし、芸術家っぽい部分が好きなのだろうと思った。自分の認識していない傾向を他者から教えてもらうのはいつだって楽しい。

ふと思いかえす言葉というのは、案外に自分の本質に深く関係するものの象徴なのかもしれない。他の人たちにもふと思いかえす言葉、その言葉のそばにあるエピソードなんかがあるんだろうな。どんな風か気になる。

ときどき思い出される言葉はもっとあるけど、それはまた気が向いた時にメモしよう。

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