みだれ髪 / 与謝野晶子

情熱の歌人、与謝野晶子の代表作。「みだれ髪」というタイトルから、豊かな黒髪を恋に振り乱す乙女の姿が生々しく想像できるが、実際この歌集は若き晶子の(後に良人となるが始まりは不倫であった)与謝野鉄幹への恋心を始めとした赤裸々な想いが綴られている。

 

―やは肌の あつき血汐に ふれも見で さびしからずや 道を説く君―

訳:やわらかな肌の下を流れる熱い血潮、そんな若さと情熱に溢れた私に触れようともしないで、寂しくはないんですか、世のありふれた道徳を説いてばかりいるあなた。

 

―道を云はず 後を思はず 名を問はず ここに恋ひ恋ふ 君と我と見る―

訳:堅苦しい道徳を言わず、これからのことを考えず、人の噂など気にせず、ここにこうして恋い恋う、そしてお互いを見つめ合う私たちなのです。

 

丁寧な訳と解説がついているので、特段歌にあかるくない人でも接しやすい歌集。

驚くほど官能的で乙女の素直で率直な想いを表現する本作。世の草食系男子と呼ばれる人たちにぜひ読んでみて欲しいものです。

 

 

 

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